Googleフォームで公開中の『スマホでできる小テスト』の解説ページです。一度解いてみてからの学習に活用してください。
今回は電位と電場の分野です。
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・定義、概念を理解して
・典型問題をきちんとこなしたあと
取り組むことで力になる問題になっています。取り組むタイミングを間違えないようにしましょう。
問題1 一様な電場
電気量$+Q$、$-Q$にそれぞれ帯電させた2枚の極板を向かい合わせた。極板間に図のように+の電荷を射出すると、どのような運動をするか。ただし、極板は十分に大きいものとする。
ア. そのまま直進する
イ. 右にそれる
ウ. 左にそれる
解答 イ
極板の間では、図のように右向きに電場が生じる。+の電荷は電場と同じ向きに力を受けるので、右にそれる。
左の極板の+と斥力を発生させるから右に力を受け、右の極板の-と引力を発生させるからやはり右に力を受ける。両方の極板から右に力を受けるので右にそれる。
という考え方もできるようにしたい。
問題2 一様な電場
電気量$+Q$、$-Q$にそれぞれ帯電させた2枚の極板を向かい合わせた。極板間に図のように帯電した不導体を置く。不導体に帯電している+と-の電荷の電気量は等しい。この不導体はどのような運動をするか。ただし、極板は十分に大きいものとする。
ア. 静止したままである
イ. 右に移動する
ウ. 左に移動する
エ. 時計回りに回転する
オ. 反時計回りに回転する
カ. イ〜オの選択肢を組み合わせた動きをする
解答 ア
一様な電場内なので、不導体の持つ+の電荷と、−の電荷が受ける力の大きさは等しい。同じ力で向きが逆なので、力はつりあい静止したままとなる。
問題3 一様な電場
電気量$+Q$、$-Q$にそれぞれ帯電させた2枚の極板を向かい合わせた。極板間に図のように帯電した不導体を置く。不導体に帯電している+と-の電荷の電気量は等しい。この不導体はどのような運動をするか。ただし、極板は十分に大きいものとする。
ア. 静止したままである
イ. 右に移動する
ウ. 左に移動する
エ. 時計回りに回転する
オ. 反時計回りに回転する
カ. イ〜オの選択肢を組み合わせた動きをする
解答 エ
一様な電場内なので、不導体の持つ+の電荷と−の電荷が受ける力の大きさは等しいが、一直線上にないので、回転をしてしまう。 力の大きさが等しいので、左右への移動はなく、時計回りの回転だけを行う。このような力を偶力というのを思い出しておこう。
問題4 電気力線の定義
下図は電場を電気力線で示したものであり、電場内に電気を帯びていない導体を置き、静電誘導を起こした状態となっている。この後、導体が移動してしまうものを選べ。(回転運動のみの場合は解答に含まない)
ア. (a)
イ. (c)
ウ. (b)と(d)
エ. (a)と(c)
オ. (a)と(b)
カ. 上記以外の組み合わせ
解答 オ
電気力線の密度が高いところほど、電場が強い(電気力線の定義)。いいかえると、電気力線の間隔が狭いと電場が強い。 よって(a)(b)は左側の方が電場が強く、(c)(d)は一様な電場といえる。これをもとに力を書き込んでみる。
(a)(b)は左向きの力の方が大きく、左に移動してしまう。
(c)(d)は左右の力の大きさが等しいので移動はしない。
ただし、(b)(d)は力の作用線がずれているので回転運動も行うので注意が必要である。
問題5 一様電場内の電位
下図のa〜dの点について、電位が高い順番に>、=を用いて並び替えよ。ただし、極板は十分に大きいものとする。
解答 a = b > c = d
電位は高さ、電場は傾き、というイメージでどのような空間になっているかイメージしよう。左の極板が高い位置にあり、右の極板が低い位置にある。そして、電場が一定なので、一定の傾きで高さが下がっていく。
イメージをするのが難しかったら、等電位線を書いてみよう。等電位線は電気力線と必ず垂直にかかれるので、図のように書ける。
点線の部分は同じ電位となり、右に行くにつれて少しずつ下がっていく。
このことから考えると、a = b > c = d となる。
問題6 電気力線と電位
下図のa〜cの点について、電位が高い順番に>、=を用いて並び替えよ。ただし、矢印は電気力線を示している。
解答 a > b > c
電気力線は電場の向きに書く線であり、高いところから低いところに向かってかかれる。よって、上流の方にあるところほど電位が高い。a > b > cとなる。