働き方改革で、教職に変形労働時間制を導入しようとする動きがあります。果たしてうまくいくのか、考えてみましょう。
*記事がボリューミーになるので、何回かに分けて考えていきます。第1回は、変形労働時間制とはそもそも何か、教員は現在どれくらい働いているのか、に着目です。
1 変形労働時間制とは
変形労働時間制とは、簡単にいうと忙しい時期は労働時間を10時間、忙しくない時期は7時間とかに設定する制度です。
この制度での理想的な動きは、
忙しい時期8時間を越えてしまうときには、それを残業とはせず、暇なときは拘束時間を減らし早く帰れるようにする、です。
この理想の動きができるかを、教員の働き方に当てはめて考えてみたいと思います。
2 教員の労働時間のモデル
一時期、「自分の仕事効率が悪いせいで、普段の勤務がきつくなっているのでは?」と考えて、時間管理アプリを使って自分の仕事を分析してみました。
(3ヶ月ぐらい計測して削る部分が見当たらないことがわかったので記録を取るのをやめてしまいました………チーン。)
個人の動きの部分じゃなくて、会議とか授業とか会議とか部活とか会議とか、自分の工夫で減らせる部分が皆無だったのです。
リアルなデータがあるのはちょうどいいので、実際に11月の勤務時間記録を見てみましょう。
赤裸々!これが秋山スダヱの労働実態だ!
*11月は文化祭などイレギュラーな行事はありません。
*私は金曜日と日曜日がお休みです。
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1日8時間は絶対超えちゃいますね。また、教員に残業代は出ないことになってます。なので基本給のままでこれくらいは働く感じになります。
次に月の労働時間を見てみます。
*この月の途中から個人の仕事の部分だけ「個人作業」とし、自分で工夫のしようがない部分を「Without project(未分類)」とカテゴリ訳をしたので、ほとんどWithout projectに分類されています。(授業なども)
私は教員しかしたことがないので、普通の企業でどれくらいの拘束時間があるかわかりませんが、1日8時間という労働時間内で働ききることは絶対できません。これは断言できます。生徒が学校にいる時間ずっと学校にいたら越えてしまうからね。
そう考えると生徒の生活もブラックなのかな?
ただ、今勤めている学校はきちんと週に2回休めることが多いので、すごく楽です。前の学校は部活が活発で、年間30日くらいしか休みがなかったような記憶があります。
3 変形労働時間制を理事側が導入したい理由
管理職や理事側が働き方改革と謳い変形労働時間制を取り入れようとするのは、現状で労基が査察にくると、この労働時間が大きな問題になるからです。
労基が入り、残業代を遡って支払うことになると、学校の資産が大きく減り、学校としての地力が下がります。実はそうなること自体は教員もあまり望んではいません。
生徒の学びの質が下がる可能性、教員が減らされて逆にきつくなる可能性があるので、、、
結果として、残業代をあまり発生させないために変形労働時間制を入れて、1日8時間の枠を10時間とかに伸ばしたいんですね。もちろん働いた分の給料をもらえるのが一番ですがそれも収入が頑張れば増えるような業界ではないので厳しいです。
しかしながらこの制度、理事側と学校の経済状況を助けるだけでは済まず、教員を苦しめる弊害もありそう、というのが正直なところだったりします。もともと残業代は出てないんだし導入しても実態は変わらないんじゃないの?と思いがちですがそうではないんですね。
次回は「もし取り入れたらどうなるか」記事にしたいと思います。
仕事大変だけど頑張ろう。
↓第2回はこちら
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