以前、担任の型として、P型リーダー、M型リーダーというのを紹介しました。
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今回はそれに関連して、SL理論と言われるリーダーシップ理論を紹介します。
1. SL理論とは
オハイオ大学のハーシー&ブランチャードによる理論です。
SLはSituational Leadershipの略です。集団の成熟度によって取るべきリーダーシップスタイルが異なることを示しています。
ざっと以下の表のようにスタイルは分類されます。
表の左右はリーダーが具体的な指示をだす割合を示し、上下はリーダーがどれくらい組織のコミュニケーションに関わるかを示します。私が自然体で指導をしたら、学級担任としてはS3型、運動部の指導者としてはS2型になることが多いと思います。
さて、この表ですが、ただ「私は○○型かも」と話しているだけだと、何にも生産性がないので、どのようにこの理論を活用していくかを見ていきましょう。
2. SL理論の活用
SL理論で分類されている4つの型は、それぞれ以下のような集団に対して効果的だとされています。
どういうことかイメージしやすいのは学年による学級運営の差でしょう。
中学1年生にS4委任型の指導をしたら、学級崩壊まったなしです。一方で高校3年生にS1教示型の指導をしても、全く響かないでしょう。
組織の成熟度に応じて、具体的な指示の量、生徒との関わり合いの量などをコントロールすると良い、というのがSL理論です。
生徒の成熟度に応じて、S1→S2→S3→S4とリーダーシップの型を変えていくのです。
これは、駅伝で青山学院チームを優勝まで導いた原晋監督が、著書で語っていた内容と同じです。その著書では、
「チームが育つ前に、練習を任せたり、自主性を促すと、自主性と自由を履き違えたチームになる」
と語っています。
学校現場で「子供達に任せることにしてます。それで失敗をしたとしても、それが成長の糧になるのでいいんです」と言う先生がいませんか?
私はこれがすごく無責任に感じられます。組織としての正しい動きを示すことなく、組織の運営を生徒に丸投げするのは、実りの少ないトラブルを産むことの方が多いでしょう。「組織の成熟度」をきちんと観察して、適切な時期に生徒の自主性に任せるようなリーダーシップをとりたいです。
3. リード・マネージメント理論
SL理論と別にリード・マネージメント理論というものがあります。
マネージメントの型には大きく分けて2種類ある、というものです。
これは、場面に分けて、とか複雑に考えるものではなく、「学級担任をする際に、ボス・マネージャーにならないように気をつける」という心がけのようなものとして扱うのが良いとのことでした。
4. まとめ
前回のPM理論と合わせて、SL理論、リード・マネージメント理論と、いくつかの紹介をしました。総じて、生徒の性質や成熟度に合わせて取るべきリーダーシップの型が変わってくる、ということがポイントでした。担任をされてる先生や、部活動指導をされてる先生の参考になったら幸いです。