中高生の学びとSDGsについて、実践したことをまとめるシリーズ第2回です。今回は、生徒とSDGsのファーストコンタクトをどうデザインしたかです。
前回の記事
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1. カードゲーム「2030SDGs」
私の学校ではイマココラボ さんが開発したカードゲーム「2030SDGs」を行いました。
SDGsカードゲームは前回記述した「経済・環境・社会の要素」とSDGsの関わりを学べる内容にデザインされています。
このカードゲームでは、いくつかのチームまたは個人に別れ、配布された目的を達成するために行動します。目的は以下のようなものです。
富を求める、ゆとりのある生活を求める、環境の保全を目指す、など様々な目的が設定され、各チームがチームなりのアクションをしていきます。
詳しくはイマココラボさんのHPに書かれておりますので、ご覧いただければと思います。
外部リンク「イマココラボさん カードゲーム「2030SDGs」
実際にカードゲームを行なった後の生徒の反応は
『経済を伸ばそうとしたら、環境が戻せないくらい壊れてしまった』
『今回はゲームだったけれど、実際の地球環境もまずい状況なのではと思った』
『SDGsがどういうものか少しだけわかった気がする、よくわかってない気もする』
などなど様々な感想がありました。
私の生徒たちのゲーム展開だと、環境のパラメータが低い状態になってしまいましたが、環境が守られるけれども経済が衰退するという展開もあり得るようです。
カードゲームですので、敷居が低く感じられることももちろんですが、ゲーム後どのような感想になるかも人それぞれで、それを共有し合うことでの気づきもたくさんありました。
誰かと考えを共有し、新たに気づきを得るというステップは探究に欠かせないものなので、その練習にもなると思います。
ちなみに私もこのゲームを体験したのですが、色々な人の思惑をまざまざと見せられ、人間はこんなにも自分勝手に動いてしまう生物なのか、という気持ちになり悲しい気持ちになりました。その日の夜眠れなくなってしまうくらい衝撃がありました。(本当の話ですよ!)
学校でカードゲーム「2030SDGs」を実施したい場合は、株式会社プロジェクトデザインさんに依頼する形になるようです。
詳しくは先ほど載せたイマココラボさんの記事を参照ください。
2. 読書『未来を変える目標 SDGsアイデアブック』
カードゲームでSDGsの存在を知った後は、具体的にどのような行動がSDGsに向けた行動なのかを知るために、SDGsアイデアブックを読む期間に入りました。この本はThink the Earthさんが出版した本で17のゴールごとに、ゴールの要点とアクションの実例が紹介されています。
項目が1ページごとに区切られていること、1ページの分量が多くないこと、写真により情報がすっと入ってくること、など入門に適したポイントがいっぱいあります。
例えば以下のような感じです。(出典:Think the EarthさんのHP)
画像クリックで拡大(新しいタブが開きます)
このアクション事例は、3番のゴールの事例ですが、関連しているゴールがページ右側に示されています。
1人1冊購入し、HR前の朝の読書の時間や、帰りのHRなどで5分くらい時間をとって、毎日少しづつ読むようにすると、SDGsが生徒に身近になっていくと思います。
その際に、好きなページから読んでごらん、と声をかけ生徒に自分の興味はどこなんだろうか、と考えてもらうきっかけにもしました。
3. 新聞ワーク
SDGsアイデアブックを見て、各ゴールに関して理解を少しづつ進めたところで、新聞を読むワークを行いました。
① 新聞を1人1部渡す
② 新聞の中から、SDGsに関連しそうな記事や広告を探し、メモをしておく
③ グループワークを行い、自分が発見した記事を紹介する
新聞は現実に起きていることである感が強く、それらの多くがSDGsとつながっていることが実感できます。
同じ日の新聞を読んだ生徒同士でも、ピックアップする記事が違ったりするので、このワークでも共有による新たな気づきを実感できます。
4. 編集後記と次回予告
今回は、生徒とSDGsをどのように出会ってもらったかをまとめました。
まだ、『SDGsを知る』という段階なので、生徒のアクションが少ない段階ですが、この次くらいから、生徒が実際にSDGsに向けてどう動いたか、という点が出てきます。