学級びらきのツールとして、自己紹介すごろくを紹介しました。
↓自己紹介すごろくの記事
[kanren postid="1001"]今回は自己紹介すごろくに続いて、クラスの一体感を高めるためのピアサポートを紹介します。これも教員免許更新講習で習ったことです。
目次
1 PBISとは
PBISはPositive Behavioral Interventions and Supportsの略、日本語に直すと「ポジティブな行動介入と支援」となります。いかに生徒にポジティブな行動を取らせるか、ということです。
すごく簡単なPBISは、「〇〇しちゃだめ!!」って指導するのではなく、「〇〇してみよう!!」と声をかけることです。
具体的な例を挙げると「なんで宿題やらないの!!」とか「なんで宿題やってこないんだ(怒)」ではなく「帰宅したらすぐ宿題にとりかかってみよう」とか「どんな工夫をしたら宿題やれるようになりそうかな?」と声をかけることですね。
いけないことをした時に叱る、というのは必要なことですが、生徒が叱られるのを避けるために行動をするというのは、すごくもったいないことです。PBISを意識して、生徒が前向きな動機を持って行動するような環境を提供したいところです。
2 PBISを効果的に行うためには
レッツポジティブ!更新講習ではPBISを効果的に行うためのステップを紹介されました。
ステップ1 生徒に何が適切な行動なのかを知らせる
「ちゃんとして!!」
思わずこう言ってしまうことはしばしばあります。でも「ちゃんと」がどんな行動なのかが教師(または保護者)と生徒で食い違うということもあるでしょう。
生徒は精一杯ちゃんとしようとしたのに、それが教師から見たらまだ不足していて、生徒にとっては理不尽に叱られるということがあります。これではうまくいきません。
なので、ちゃんとしているとは何なのか、ということをきちんと共有することが大切なのです。
正しい行動の指標として、「3B’s」というものがあります。
Be Respectful、Be Responsible、Be Safe、で3B’sです。
日本語にすると
思いやること 責任を持つこと 安全・安心をはかること
この3つに高い価値を感じるように、生徒に働きかけて、実際の行動に結びつけます。
ステップ2 具体的な目標を考えさせる
教員(保護者)と生徒で、「ちゃんと」の目線を合わせたところで、具体的な目標を考えさせましょう。学級開きに超絶おすすめなのが、学年目標に合わせることです。
例えば学級目標が「探究心を持って、協働し、何事にも全力で取り組む」というものだったとしましょう。これをこのまま教室に掲示をしても、それは教室のただの模様になってしまいます。
そこで以下の表のようなものを用意します。
授業中 | 休み時間 | 掃除 | 放課後 | 家で | |
探究心を 持って |
|||||
協働し | |||||
何事にも 全力で 取り組む |
このように学級目標を分割して、さらに生活の場面に分けて表にします。このように細分化して行動目標を考えさせると目標は具体的になります。例えば以下のようになります。
授業中 | 休み時間 | 掃除 | 放課後 | 家で | |
探究心を 持って |
結果に至る原因を大切にする | 文献やweb資料を毎日5分は読む | |||
協働し | グループワークで積極的に発言する | チャイム時には席についておく | 全員で机運びをする | ||
何事にも 全力で 取り組む |
教室にゴミを残さない | 部活動を休まない |
どうでしょう。たが学年目標を掲げるよりも具体的になるはずです。立てた目標をグループで共有すれば、新たな気づきにも繋がるし、同じクラスの仲間と目標を共にし、クラスのまとまりを作り出すきっかけにもなるでしょう。
ステップ3 うまく行動できた時にそれを褒める
PBIS的な目標を立てた後には、振り返りまで追跡し、さらにポジティブな行動を続けられるように声をかけます。
学期の終わりに立てた目標の振り返りなどをさせもいいし、クラスの掲示板に学年目標の表を掲示し「自分の目標を達成できた時は該当の場所にシールを貼ろう」というスペースを作ってみてもいいでしょう。目標立てっぱなし、だとクラスのまとまりを作る効果は薄れてしまいます。必ず振り返ったり成果を目に見える形にしましょう。
3 まとめ PBISでクラスのまとまりを
PBIS的な目標設定をし、生徒がポジティブな行動をとれるように促し、さらにクラスのまとまりを持たせよう、というツールの紹介でした。学年のはじめじゃなくても使えると思います。ぜひぜひ。