【小テスト】運動量〜その2〜

Googleフォームで公開中の『スマホでできる小テスト』の解説ページです。一度解いてみてからの学習に活用してください。

今回は運動量の分野です。
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小テストその2はその1の再試験用のテストです.
まだ受験していない人はその1から受験しましょう.

問題1 運動量と力積

質量がmとm/2の2台のミニカーが、なめらかな床の上で静止している。2台のミニカーを同じ力で、同じ時間だけ押した。押した後のミニカーで運動量が大きいのはどちらか。

ア. 質量mの方
イ. 質量m/2の方
ウ. どちらも同じ

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解答 ウ

『運動量の変化量が力積』という関係がある。

今回、力Fで、同じ時間tだけ押されているので、力積の大きさはどちらも同じ。よって増加する運動量も同じである。
(運動量は同じだが、質量mがちがうので、速さvは異なる。軽い物体の方がより速くなる。)

問題2 力積と速度

質量がmとm/2の2台のミニカーが、なめらかな床の上で静止している。2台のミニカーを同じ力で、同じ時間だけ押した。押した後のミニカーで速さが大きいのはどちらか。

ア. 質量mの方
イ. 質量m/2の方
ウ. どちらも同じ

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解答 イ

前問1の『持っている運動量mvがおなじ』ということから、質量mが小さい方が速度vが大きいと考えられる。

別の考え方として、運動方程式ma = Fより、質量mが小さい方が、加速度aが大きく、おなじ時間加速するなら、質量mが小さい方が速くなる、と考えることもできる。

問題3 力積の大小

ばねつき台車を壁に向かって走らせた衝突させたところ、図のような変化をした。車の運動量の変化が大きい順に>、=を用いて並び替えよ。ただし、右向きを正とし、値の大きさは、『正の値>0>負の値』とし、『-2 > -4』 という関係とする。

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解答 C > A = B

変化といえば後-前、各問題で運動量の変化を計算する。その際、正負に気を付ける。

 A:衝突前の運動量 60 kg・m/s (質量×速度)

    衝突後の運動量 0

   ⇒ 変化量 -60 kg・m/s

  同様に求めると、B:-60 kg・m/s  C:-40 kg・m/s これらを大きい順に並び替えると、C > A = B

問題4 運動量保存の成立条件

以下の中で、合計の運動量が保存している系をすべて選べ。

(ア) 雪上でスリップした車が、壁に衝突した。車を1つの系とする。雪上では摩擦はないとする。

(イ) 1台の車が道路で急ブレーキをかけた。この車を1つの系とする。

(ウ) 静水上でオールを漕いでボートを進めた。ボートとオールを1つの系とする。

(エ) 静水上でオールを漕いでボートを進めた。ボートとオールと水を1つの系とする。

(オ) ボールが地球に向かって落ちる。地球とボールを1つの系とする。

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解答 エ 、オ

運動量が保存する条件は、『はたらく力が内力のみであること』である。それで検証する

(外力がはたらかないこととも言える。)

(ア) × 衝突時に、壁と車で押し合うが、壁が環境である、外力がはたらく。保存しない。

(イ) × ブレーキで発生する摩擦力は、車が地球から受ける力である。地球は系の外の物体なので、これは外力となる。よって保存しない。車と地球を1つの系としたら保存則は成り立つが、地球の速度を測定できないので、実際は立式できない。

(ウ) × オールは水と力を及ぼしあっている。水が環境となっており、水から受ける力は外力となる。保存しない。

(エ) ○ 水も1つの系とすれば、オールと水で及ぼし合う力は内力となる。保存する。ボートが進んだ分、水が後ろに押し出されている。

(オ) 〇 ボールと地球を1つの系とすれば、ボールにはたらく重力は、内力と考えられる。運動量は保存し、ボールが下向きの運動量を得た分、地球は上向きに運動量を得ている。ただし、地球の速度を観測できないので、実際に立式することは難しい。

問題5 運動量保存則

図のように、摩擦のないタイヤと斜面と壁のついた台車を静止させ、小球を自由落下させたところ、小球が点線のような軌道を通り、最終的に台車の左側へ飛んで行った。次の(A)〜(C)の時間帯で、台車の動いている向きをそれぞれ答えよ。ただし、図の軌道は、台車上の観測者から見た軌道であり、台車が動かなかったことを示しているわけではないので注意せよ。

(A) 小球が斜面にぶつかってから壁に当たるまで
(B) 小球が壁に当たってから、台の水平面に当たるまで
(C) 小球が平面に当たって台の左側に飛んでいった後

ア. 台車は右側に動いている
イ. 台車は左側に動いている
ウ. 台車は動いていない
エ. 情報が足りず答えられない

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解答 (A)イ  (B)ア (C)ア

運動量保存則で考える。ボールを投げる前は、台もボールも静止している。よって運動量の和は0である。そのことから考えると、

(A)ボールが右に動いているので、台車は左向きの運動量を持っている(イ)

(B)ボールが左に動いているので、台車は右向きの運動量を持っている(ア)

(C)ボールが左に動いているので、台車は右向きの運動量を持っている(ア)

記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました✨


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