概念理解問題の紹介【重力による位置エネルギー】

エネルギーの中でも位置エネルギーに関する問題を紹介します。

問題1 重力による仕事

質量mの物体が、下図のような曲面をA地点からB地点まで移動した。このとき重力がした仕事はいくらか。

 解答はmg(hh’)

重力による位置エネルギーの公式を習う時には、保存力の概念と、保存力による仕事のつながりも授業で話しますが、内容が入り組んでいるので生徒の理解もゆったりになります。ピンポイントでそこをつく出題をしてあげることは大切です。

位置エネルギーの減少分だけ保存力が仕事をする、ということをこういった問題を通して体になじませるのが狙いです。

問題2 重力による仕事②

ボーリング場で、ボールを運ぶ機械はボールに力を加えて長さ1.0 mの傾斜を登らせていた。また、この傾斜は、元の高さより0.50 m高い位置までボールを運んでいた。さて、5.0 kgのボールを運ぶためには、どれだけの力Fが必要か。重力加速度を10m/s2とする。

 解答は (ウ) 25 N 

問題1は位置エネルギーが減るときの話で、問題2は位置エネルギーが増えるときの話となっています。保存力に逆らう仕事の分だけ、位置エネルギーが増えている関係性を正しくイメージできていれば、この問題も解くことができる。これは仕事の原理ともいわれていますね。

問題3 重力による位置エネルギーと仕事

マウンテンバイクに乗って、丘の上まで上る。このとき丘のふもとから頂上に続く道が2本あり、一方の道は、もう一方の坂の2倍の長さがある。道のりの短い坂を登る時に必要な平均の力をFとすると、長い坂を登る時に必要な平均の力はいくらか。

 解答は ウ 

問題2と同じことを聞いている問題です。問題2を小テストで出題して、そこから再テストを行うのに有効です。ただの繰り返しにならないように、あえて図は全くこちらから示さず、生徒自身に図を書かせる機会にしたいところです。
例えば以下のような図を書けるといいです。

終わりに

教員から見ると難易度が低く、公式を使うだけの問題に見えるかもしれませんが、生徒にとってこの内容はイメージがなかなか湧かず、難解なものになりがちです。何回もいろいろな形で生徒に出題してあげましょう。


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