波動の分野で、最初に生徒に立ちはだかる壁は、波を動かす、ということができるかどうかです。
それがうまくできない生徒のよくある間違い方と、その対処法を紹介します。
1. 該当の問題と生徒の間違え方
例えば以下のような問題です。
この問題で、波が1.2 m移動する、という計算までは大抵の生徒はできます。
そのあとが問題で、生徒は次のように間違えることが多いです。
波を進める → 波の形の続きをかく という間違い方ですね。
正しくは以下のように考えて欲しいです。
波の形をそのままに横へ1.2 mスライドさせます。
その後、続きを書いて
2. 対処法
前述のように波を動かすことを生徒はあまりイメージできないので、次のようなイメージを持ってもらうことをおすすめします。
波の形は、座標と別の絵に書かれていて、波が書かれた絵を人が持って走っていくようなイメージです。
こうすると波がスライドしていくイメージがわきやすいです。
3. 違うパターンの間違え方
また、波をグラフの最後まで書いてあるような問題だと、次のように間違える生徒も多くなります。
答えとしては正解してしまうので、たちが悪いです。生徒が勘違いした解法をしていることに気づけません。
そこで、この考え方だと誤答になるような問いを出してあげる必要があります。
今回の場合は、t = 0.5 sのグラフを書かせればOKです。
実際にこの問題を、間違った考えで書くと、以下のように、+cos型のグラフになり、誤答です。
正しく解くと、以下のように−cos型になります。
生徒のよくある間違い型を把握して、それに気づける問題を解く機会を与えることが、教員の責任かもしれません。
生徒の解き方をよく見て、どんなところで間違えやすいか、気づいていきたいですね。