【担任のタイプ】リーダーシップのPM理論【あなたは何型?】

担任はクラスのリーダーです。「いやいや生徒の中にリーダーがいて、担任はサポーターでしょ」という意見もありますが、ドラッガーによると「リーダーシップとは組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立すること」とのことです。これは担任のお仕事でしょう。
そして、リーダーシップには一定の型があるというのがPM理論です。PM理論で理想の担任の型を考察しましょう。これも更新講習で習ったことです。

1 PMチェック

以下のチェックテストを行ってみてください。単純な数値の合計ではないので、問題ごとに数字を記録しておいてください。

    Yes やや
YES
± やや
NO
NO

ひそひそ話やうわさ話はやめるように指導している。 5 4 3 2 1
クラスの約束は明確で、子供達も自覚している 5 4 3 2 1
問題が起こったとき、その原因や責任をうやむやにしない 5 4 3 2 1
目標や計画の内容は明確に知らされる 5 4 3 2 1
人をバカにしたり、からかうような場面を見ることがある 1 2 3 4 5
ルールがあっても、例外を認めることがある 1 2 3 4 5
授業中の、不必要な私語はきちんと指導する 5 4 3 2 1
クラスにはみんなで協力する雰囲気がある 5 4 3 2 1
子供と気楽に話をする 5 4 3 2 1
10 子供の個人的なことも気にかけている 5 4 3 2 1
11 クラスの子たちは、一人になりがちな子にもよく声をかける 5 4 3 2 1
12 子どもたちをほめることが多い 5 4 3 2 1
13 どちらかと言えば、クラスの雰囲気はかたく、静かだ 1 2 3 4 5
14 子どもたちの人間関係を育むような工夫をしている 5 4 3 2 1

さて、回答は記録できましたか?

問題1から問題7までをP型、問題8から問題14までがM型、という分類になり、数値の合計が26以上だとP型、M型のリーダーであるとのことです。どちらも26点を越えていたらPM型リーダーとなります。

ちなみに私は、P型の数値が28、M型の数値が30で、PM型行動もM型行動もとっているという診断でした。では、P型、M型とはどういうものなのでしょう。

2 P行動とM行動

P行動とは「集団の目標達成に焦点化した行動のこと。役割を明確にし、計画を立て、細かい点まで明確にする。」

M行動とは「集団自体の維持・強化に焦点化した行動のこと。良いことは誉め、平等に取り扱い、彼らの自尊心を維持し、生徒が気楽さを感じるように努め、近づきやすい。」

というものです。ざっくり表現するとP型は「俺についてこい!」的なやつで、M型は「みんな!頑張ろう!」的な感じです。そして出てくるのが以下の表です。


P


Pm

目標達成能力は高いが、人望がない
目標を明確に定め厳しく管理し、成果をあげるが、チームの団結力は弱い。

PM

理想的なリーダーシップを持つ
目標を明確にして成果を上げ、リームワークを重んじ集団をまとめ上げる。

pm

目標達成能力も集団をまとめる力も弱い。
成果を上げることもなく、部下やチームメンバーにも無関心なタイプ。
リーダーシップがない。

pM

集団をまとめる力はあるが、成果を上げる力が弱い。
仕事で発揮する能力が弱いが、部下の面倒見はよく親われている。
友人関係のようなリーダー像。

  M 型 行 動 →

大文字のPMはP型、M型で26点以上であること、小文字のpmはそれ以下であることを示します。先ほどのチェックリストで自分がPM型と言っている上でこの表を出すのは、かなり恥ずかしいものがあります。どんだけ自己評価が高いのかと………

まぁそれは置いといて、この分類分けで一番興味深いところは、クラスの特性によっては、PM型担任ではない方が成果が上がるというデータがあることです。

3 モチベーションの低いクラスにはPm型


モチベーションが低い生徒が集まった集団は、低達成動機群と言われますが、そう言った集団では、PM型担任よりも、Pm型担任の方が成果を上げるというデータがあります。(*高達成度動機群ではPM型が最良の成果を出します。)

だるーーーんとしている子達にも「さぁ!やるぞ!頑張ればやれるんだ!俺についてこい!」という担任がいれば、歩み出せる子達も多いということなのでしょう。PM型担任が万能という訳ではない、ということを頭に入れておきたいですね。

また低達成動機群では、学期はじめに限り、PM型担任よりもpM型(友人関係型)、pm型(無関心型)の方が成果が出るというデータもあります。ルールや目標がふわっとした指導の方が最初は成果が上がってしまうようです。

ここで誤解してはいけないのが、あくまで学期はじめに限りであることです。低達成動機群でずっと pM(友人関係型)だと、断トツで成果が低いクラスになるようです。あくまで最初だけなんですね。
(細かく見るとPm>PM>pm>pMです。低達成動機群では友達関係型は成果が一番低くなります。)

ルール設定や、目標設定が最初にふわっとしていると、途中できちんと設定し直すことは困難です。なので最初に成果が出るとしても、pM型(友人関係型)、pm型(無関心型)の担任スタイルにするのは危険だといえるでしょう。

生徒のモチベーションに合わせてPM型にするか、Pm型にするか、くらいの意識を持つのがちょうどいいのだと思います。

4 リーダーシップスタイルと学級の傾向

最後にリーダーシップスタイルと学級の傾向をまとめて終わります。

① PM型 指導・援助統合型
 学級は望ましい状態  学級満足度は高い

② Pm型 強い指導型
 学級は承認されない感覚  担任への不満を持つ

③ pM型 援助優位型
 学級はルール未確立  疎外感・不満を持つ

④ pm型 指導・援助喪失型
 学級は拡散した状態  まとまりなし・学級崩壊

⑤ その他 賞罰による指導型
 満足群と不満足群に2分  満足群がいるため崩壊はしない

PMの診断があくまで自己評価なので、あんまりあてにならないと感じていますが、この傾向データは現場の感覚と一致します。なので、ある程度の納得もできます。

自分が持ったクラスにモチベーションの低い子が集まっていたら、寄り添うのも大切だけれど、グイグイ引っ張り上げる力強さを発揮しないといけないな、ということを忘れずに運営してい祈雨のがいいのでしょう!

担任をする人の参考になれば!

↓参考文献


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